前回のTNGネメシスから一転、TOSのリメイク作品です。正式には、別の時間軸、世界線、ケルヴィンタイムラインのカーク、スポックの活躍です。
シリーズを知ってると、ニヤリするネタがいろいろ入ってます。ただ今までのようなスタートレックっぽさ、みたいなのは薄くなった印象があります。
スタートレック全く知らない人でも楽しめるお話でした。
スタートレック あらすじ
カークの父ジョージが副長として乗るUSSケルヴィンは、重力異常により突如空間に現れた謎の戦艦の攻撃を受けた。
圧倒的な科学力になすすべがないUSSケルヴィン、だが敵から停戦を協議したいと通信があり、ケルヴィンのロバウ船長が敵戦艦に招かれた。
敵戦艦のネロ船長のまえで、ロバウは、スポック大使を知っているか?現在の宇宙暦は?等の質問をされた後、急に怒りだしたネロにより殺害され、さらにUSSケルヴィンは敵の総攻撃を受ける。
船長亡き後の船を任されたジョージは、クルー全員に避難命令を出す。クルーには出産間近のジョージの妻もいた。
次々と射出される脱出シャトルを守るため、ジョージは一人USSケルヴィンに残る。ジョージの妻が乗る医療用シャトルでお産が始まり、カークが誕生する。生まれた子供が男の子だと分かった後、ジョージは皆を守るため敵戦艦に突っ込んで爆死した。
その後、カークはやんちゃな少年に成長していた。
またバルカンではスポック少年が、バルカン人と地球人のハーフであることをいつもいじめられ、その怒りをおさえきれず、いじめた相手に掴みかかっていた。
それから時が経ち、青年になったスポックはバルカン科学アカデミーの試験をパスする。だが試験官たちに、母が地球人であることを指摘され、結局科学アカデミーの入学を辞退する。スポックは同時に受けていた宇宙艦隊に入隊する。
地球では、カークは粗暴な若者に成長していた。バーで出会った若いウラをナンパしていると、宇宙艦隊の新兵たちと喧嘩になる。
上官のパイク船長が現れ、喧嘩は収まり、USSケルヴィン事件をよく知るパイク船長は、能力の高いカークを宇宙艦隊に誘う。
新兵が乗るシャトルでカークはDr.マッコイに出会い、そのまま二人で宇宙艦隊に入隊する。
3年がたち、カークは士官になるために、コバヤシマルテストを受ける。だがテストで不正が発覚し、そのことで評議会が開かれることになる。
会議中、コバヤシマルテストを作ったスポックと言い争っている途中で、バルカン星より救難信号が届く。
バルカン星を助けるために、士官候補生も全員出動の命令が下る。
停学中のカークに出動命令は出ていなかったが、マッコイの機転で一緒に宇宙船に乗船する。船の名前はUSSエンタープライズ。そこにはパイク船長と、ウラ、スポック、カトー、チェコフも乗っていた。
バルカンに向けてワープを開始するエンタープライズ、だが磁気嵐で通信が効かないなど、不穏な状況を察したカークは、これが父ジョージが亡くなったときと同じ状況であると見抜く。
なんとか艦長に進言し、罠であると理解したエンタープライズは、バリアを張り戦闘態勢でバルカン星に到着、そこには先に出発していた宇宙連邦の船がすべて破壊され、大量の残骸がエンタープライズの前に迫っていた。
カトーの操舵により、なんとか戦艦の残骸を避けきった先には、父を殺したあの巨大戦艦が姿を表す。
はたして、謎の戦艦の目的は何なのか?またカークは父のかたきを討つことができるのか?
スタートレック感想
面白かったです。派手なアクションと息をつく暇もない展開が、とっても今風な感じでした。
TOSメンバーがリニューアル
カーク、スポック、Dr.マッコイ、ウラ、カトー、チェコフ、チャーリーいつものメンバーが新しくなります。
バルカンと人間のハーフであるスポックは若く、まだ感情を抑えきれてない感じでした。
過去シリーズのカークは豪胆さと冷静さを両方を持った、奥深い人物として描かれていましたが、今回の若いカークは、頭はいいが、かなり無鉄砲な若者として描かれています。カークはまだ若いので、今後どう変わっていくのか楽しみです。
アカデミーで、カークとたまたま席が隣になったとこから始まる、Dr.マッコイとの腐れ縁は、自分の大学時代を思い出して、なんだかしみじみとしました。
コバヤシマルテストを受けるカーク
士官学校の試験で、カークがコバヤシマルテストを受けるシーンが再現されていました。
絶対に死ぬというコバヤシマルテスト、TOSの映画でもカークが触れてましたが、そのとおりに今回のカークも行動していて、知ってる人はニヤリって感じでした。
スタートレックっぽさ、SFっぽさ
今回の作品、ダレるところもなく、非常に面白かったですが、スター・トレックっぽいか?と問われると、どうかな?という気が少ししました。
自分も劇場版を全部見た程度のファンですが、個人的には、スタートレックは、上品な作品です。それは、あんまりアクションをしない、基本立ち姿と会話で物語が進む、そういう抑制の効いた感じ(最強のボーグですらあんまり動かない)がトレックぽさではないかと勝手に思ってます。それが作品全体にある種の品格を与えているように思います。
今回のスタートレックはその上品な世界観から、普通の現実に戻ってきた、そんな感じがしました。
またSFを絡めた社会風刺や問題提起のようなものもスタートレックにはありますが、今回はそういうのは無く、わかりやすい娯楽に徹しているように感じました。SFによるトンチの効いたネタバラシとかも、(ヴィジャーってあれね、とか、なるほどクジラね、とか。)なかったように思います。
まとめ
スタートレックの今風解釈、ファンをニヤリとさせる要素、息を呑むアクション、今回のスタートレックは一級の娯楽作品になり、飽きることなく見れました。
でもなんだか、旧作品にあった上品な雰囲気というか、独特のスタートレックっぽさ、SF的な驚き、ピリッとした風刺?のようなものが抜けているように感じました。
現状、あと二作ありますが、今後の展開が楽しみです。
次回は、事件を解決したり、暗号を解いたり、医者から魔法使いになったりする、そんなカーン様の再登場、スター・トレック イントゥ・ダークネスです。6月中に見ないとプライムで見れなくなります。
(acworksさんによる写真ACからの写真)