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【映画】地獄でなぜ悪い、レビュー。

ヤクザたち

『地獄でなぜ悪い』は園子温監督の2013年の映画です。

ヤクザが映画を作るというなかなか変化球なコメディです。ただそこには映画を作るということの楽しさ、恍惚感のようなものが表現されていて、観ているこっちも高揚してきます。

とにかく、映画青年平田を演じる長谷川博己さんが最高です。

過去に一度観ていますが、今回アマゾンプライムで見れるので、もう一度観てみました。

地獄でなぜ悪いスタッフ、キャスト

監督・脚本・音楽:園子温
音楽:井内啓二、坂本秀一
主題歌:星野源「地獄でなぜ悪い」(SPEEDSTAR RECORDS)


武藤大三:國村隼
平田鈍:長谷川博己(現在)/中山龍也(高校時代)
池上純:堤真一
武藤ミツコ:二階堂ふみ(現在)/原菜乃華(10歳)
橋本公次:星野源(現在)/伊藤凌(高校時代)

 

あらすじ

武藤組の組長、大三は、服役中でもうすぐ出所する妻しずえのために、娘ミツコを主演で映画を撮ることを決意する。

何だかわからないままにこの事態に巻き込まれた冴えない男、橋本と、映画青年平田と共に、現在抗争中の池上組を巻き込んで、実際の討ち入りを映画にしてしまおうと画策する。

映画青年平田の暴走を軸に、自体はとんでもない方向に転がっていく。

園子温監督の映画

園子温監督の映画は、非常にいびつな形をしている気がします。

きれいな形をした映画ばかりを見ている人からすれば、話は唐突だし、エグい描写がしつこく描かれていたりするし、なかなかいい映画としては理解されないと思います。

ただ、自分や、同じ属性の人達、いびつで、こじらして、もがいている我々にとって、監督の作品は時に刺さりすぎるくらい刺さる映画になります。刺さりすぎて背中から突き抜けて絶命してしまうくらい、刺さる。

自分は監督作品の「ヒミズ」や「冷たい熱帯魚」に串刺しにされたことがあります。

この映画は、映画に魂を売った男の狂気と、映画を作るということの高揚感とエクスタシーを描こうとしているように感じました。

 

地獄でなぜ悪い、感想

この映画は、創作というものの正体について描こうとしているように思います。
注:感想はネタバレを含みます。

長谷川博己さん最高

この作品は狂気の映画青年平田の映画だと思います。

大河やシン・ゴジラなど、かっこよくて渋い長谷川博己さんですが、今回は、かなりイッちゃってる映画青年、平田を演じます。

生涯最高の映画が撮れたら死んでもいい、と言いつつ、三十路近くになっても映画は未だに撮れてないダメ人間。廃墟の映画館で仲間とたむろし、映画のウンチクを語り、バーで女の子を口説いて日々過ごしている。

運命の悪戯で、ヤクザが映画を創る、という事態に関わることになり、彼の狂気は暴走します。

周りの空気を全く読まないで、ただひたすら自分のやりたいことを強行する様子は観ていて気持ちいいです。

明らかに脳内のなにかがドバドバ出ながら映画撮影を指示する彼を観ていると、こっちも同じように高揚してきます。

明らかに目がイッちゃってます。

このキャラクターは監督自身の投影なのかもしれませんが、映画を作ることの狂気と熱狂と恍惚、それらを体現した、本当に映画を撮るのが好きな男です。大好きです。

星野源さんかわいそう

星野源さんは今回の事態に巻き込まれた、不運で冴えない男として登場します。

テンパリすぎておかしくなった表情がいいです。最高です。映画が出来なきゃ殺すと言われ、精神的に限界になり、逃げ出して噴水のようにゲロ吐いたり、コカインを大量に吸ってしまって、ヤクザの血しぶきが虹色に見えたり、恍惚なまま手首をたたっ切られたりします。

かわいそう。

でもヤクザ武藤組の娘、ミツコのために頑張ります。頭に刀がぶっ刺さっても。

堤真一

笑顔とデレ顔がかわいい。

映画を作ること

この映画は、映画の中で映画制作の楽しさを描いた映画です。創作する、何かを作るということの狂気、恍惚、を描いた作品だと思います。

何かを突き詰めて作ろうとする行為には、狂気が潜んでいる。そして創作行為は気持ちいい。

自分も下手ながら絵を描きますが、絵に没頭して描いている状態は恍惚の中にある。あっという間に時間が過ぎます。

そんな、作品を作る過程、創作の神に魂を持っていかれてる状態を映像にしたのが、この作品だと思います。

ラスト、狂ったように笑いながら、撮影したフィルムや音声を持って夜の街を走る平田が印象的です。さらにその走っている平田にもカットがかかり、長谷川博己さんは走るのを止め、撮影が終わる。

というところまで映してエンドロール。

なんてかっこいい。

映画の中で映画を語る映画として、最高の終わり方だと思います。

 

まとめ

ヤクザたち

園子温監督の「地獄でなぜ悪い」ハチャメチャで面白いです。かなり変化球なヤクザ映画でもあります。劇中出てくる警察署が「深作警察署」だったり、ヤクザ映画のかっこよさも多分に盛り込まれています。

ただ、やはりこの映画は平田の話だと思います。なにかに情熱を持って突き進む人は、観ていて気持ちいい。

創作には狂気とエクスタシーが潜んでいる。それらを実感できる映画でした。

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