1988年4月27日、ファミリーコンピュータ ディスクシステムで発売されたアドベンチャーゲーム『ファミコン探偵倶楽部』がNintendo Switchでリメイクされました。
当時少年だった自分の心を鷲掴みにしたゲームです。知ってる人には、かなり思い入れの深いゲームではないでしょうか?
自分は『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女 COLLECTOR'S EDITION -Switch』をゲットしました。こちらは該当2作品とゲームサントラ、設定資料集、当時のチラシ(すげー懐かしかった)の入ったファンアイテムです。
とりあえず消えた後継者をプレイはじめましたが、おもしろいです。画面も音楽も格段にグレードアップしてますが、そこはかとないレトロな雰囲気、時間間隔を味わえます。
このリメイクが発表された当初、一部で絵がイマイチ、操作がもっさりしてそう、などの意見があったようです。
今回、ファミコン探偵倶楽部が大好きな自分が、実際プレイしてみてどうだったか?良かった点、気になった点を書いてみたいと思います。
目次
ファミコン探偵倶楽部とは
ファミコン探偵倶楽部とは、1988年、ファミコンのディスクシステムで発売された、コマンド選択型のアドベンチャーゲームです。
当時の任天堂らしくないかなりダークな殺人事件を扱ったストーリーで、まるで金田一耕助シリーズや土曜ワイド劇場のような陰鬱とした世界観が魅力でした。(江戸川乱歩の美女シリーズとか。みんな明智小五郎と言ったら誰?天知茂?僕は北大路欣也)
かなり大人な話だ、と当時少年だった自分はドハマリしてました。おもちゃ屋さんでディスクの書き換えばかりしていたので、親に怒られた記憶があります。
消えた後継者とうしろに立つ少女
ファミコン探偵倶楽部は、消えた後継者とうしろに立つ少女の2作品があります。
「消えた後継者」は遺産相続に絡んだ(犬神家の一族っぽい)殺人事件、「うしろに立つ少女」は学園ホラー・ミステリーです。
かなり重厚ストーリーでした。当時のファミコンの画像でもけっこう怖かった記憶があります。あと音楽が最高にいいです。橘あゆみちゃんかわいいです。
時系列
ファミコン探偵倶楽部は「消えた後継者」「うしろに立つ少女」の順で発売されましたが、作品中の時系列は逆です。
続編で過去の話をやるっていうのがいいですよね。うしろに立つ少女はあゆみちゃんが高校時代の話です。主人公がこの探偵事務所に入って間もない頃の話です。
ファミコン探偵倶楽部、swich版おすすめポイント
まさかSwitchになってファミコン探偵倶楽部がリメイクされるとは思わなかったので、出ただけでも満点ですが、さらに良かった点はこちら。
ノンストレス
当作品の開発中の動画を見ると、UIもダサく、もっさりしている印象があります。
実際の製品版はUIも当時の雰囲気を今風にしたシンプルなものに変わっており、キビキビと動きます。テキストのスキップも素早く反応し、画面の切り替わりも読み込みもなくスムーズです。操作性によるストレスは全く感じませんでした。
グラフィックも、自分は悪くないと思う。
ファミコン探偵倶楽部の絵はそうじゃないんだよ、とか、絵のクオリティがイマイチ、という意見があるのもわかります。個人的には、スーパーファミコン版位の絵柄が合ってる気がしますが。
でも自分はプレイしていて、ぜんぜん気にならなかったです。キャライラストも今風の絵になって、これからファミコン探偵倶楽部を始める人にとってはとっつきやすくなったと思います。静止画ではなく、Live2D風に立ち絵もアニメーションしますし、背景はとてつもなくキレイです。
特に空木探偵事務所の外観とか、昔の雑居ビル感があってすごくいい。綾城家の墓とかも田舎の墓地の感じがすごい出てる。子どもたちが蝉取りしてそうな雰囲気がいいです。
豪華声優陣
今作はフルボイスです。豪華な声優の方々がこのゲームの完成度を高めています。
主人公:緒方恵美さん、橘あゆみ:皆口裕子さん。はい豪華!皆口さんの声であゆみちゃんはかなりいい。事件解決頑張ろうって気になる。すぐ事務所帰って推理したい。あと明神駅の駅員さんが千葉繁さんって、贅沢な配役ですね。
レトロ設定もおすすめ
ファミコン版を遊んでいた世代にはたまらないレトロ設定があります。
表示フォント、音声再生をレトロに設定すると、フォントはファミコン風のカクカクした文字になります。音声は、ファミコン版でセリフが流れるときの電子音「トルトルトルトル」ってやつになります。分かる人はわかる。なつかしい。
ちなみにBGMもアレンジからFCに変えれば、ファミコンのBGMに変わります。
制作陣わかってらっしゃる、って感じです。2回めはレトロ設定でやりたいですね。グラフィックもドット絵ぽくなったら最高だったけど。
ファミコン探偵倶楽部、ちょっと気になるポイント
今作をNintendo Switchの新作ゲームとして考えると、正直、思い出補正はかなり効いてると思います。初めてファミコン探偵倶楽部をやるって人にとっては、野暮ったく、物足りないかもしれません。
コマンド選択型
コマンド選択型のアドベンチャーゲームって、正直懐かしいシステムですよね。
自分は当時どっぷりハマっていたのでなんとも思わないですが、今の主流なアドベンチャーゲーム、ダンガンロンパとか逆転裁判とかからすると、ちょっと古臭いシステムかもしれません。
でも、それがいい。昭和のゲームのリメイクなので、そのレトロ感を味わってもらいたい。
ちょっと値段高い?
ファミコンゲームのリメイクって考えると、ちょっと気持ち値段高い気はします。
2作品セットで5~6千円くらいだと個人的には妥当な感じがします。でもコレクターズBOXはかなり満足。価格は、我々ファミコン世代のおっさんがターゲットになっているのかもしれないです。狙い撃ちです。
話が停滞する時間を楽しめるかどうか?
ファミコン探偵倶楽部、新しいコマンドが出ると色が変わったりと、ファミコン時代に比べてかなり遊びやすく親切ですが、たまにふと、話が停滞して進まなくなるときがあります。(多分何かの聞き忘れか、どこかを探してないとか)
自分はこの停滞した感じが好きです。波の音が聞こえる崖の上、夕暮れの田舎町、放課後の校舎裏、何かのフラグが立たず、話が次の展開に進みませんが、妙にその辺がリアルに感じます。世の中ってそうトントン拍子に進まないですよね。
さみしげなBGMと相まって、この黄昏の時間をじんわり過ごすのがこのゲームの醍醐味です。時間が無尽蔵あると錯覚していた子供の頃を思い出します。
話が展開するまで、崖をぼんやり調べたり、校舎裏や美術室で佇んだり、同じことしか言わない住人と会話したり、当時はドット絵だったけど、自分はあのとき明神村に居た、そういう実感が今でもあります。
まとめ
Nintendo Switch版ファミコン探偵倶楽部、当時のファンはかなり楽しめると思います。コマンド選択型という、ちょっと懐かしいシステムではありますが、文章送り、コマンド選択もサクサク動くので、動作上のストレスは全く無く、物語に没頭できると思います。
音声や文字をレトロに設定して、少年の頃の記憶を呼び戻してもらいたいです。
このゲームのポイントは、話が途中で停滞し、崖の上や自然あふれる墓地、放課後の校舎裏などでぼんやりするのが醍醐味だと思います。子供の頃の時間間隔、夕暮れ時の寂しさ、そういったものをジワーッと味わえるところにあると思います。
ファミコンのディスクシステムのゲームなので、ボリュームとか、価格とか、いろいろ気になるところはあると思いますが、このリメイク版、本当にファミコン探偵倶楽部が好きな人達がつくっているように感じました。
自分は大満足です。がんばっておっさんになっても生きててよかった。